2026.04.16
老後も安心なバリアフリーリノベーションの進め方を詳しく解説

長年住み慣れたマイホームであっても、年齢を重ねるにつれて使いづらさや危険を感じる場合があります。老後も住み慣れた家で安心安全・快適に暮らし続けるためには、適切なタイミングで住まいのあり方を見直すことが重要です。
この記事では、将来に向けたバリアフリーリノベーションの基本的な考え方や進め方、具体的なチェックポイント、費用の目安から活用できる補助金制度まで詳しく解説します。
バリアフリーリノベーションの基本的な考え方

バリアフリーリノベーションを検討するにあたって、まずは基本的な考え方を押さえておきましょう。国民生活センターの調べによれば、高齢者が不慮の事故に遭う発生場所として、「住宅」が全体の77.1%を占めているというデータがあります。
屋外よりも、実は住み慣れた自宅内に多くの危険が潜んでいるのが実情です。そのため、老後を安心・快適に過ごすためには、住宅のバリアフリー化が欠かせない大切な要素だといえるでしょう。
「住み慣れた家で安心して暮らす」ことが、バリアフリーリノベーションにおける目的であり、基本的な考え方となります。また、定年退職を迎えたタイミングや、子どもの独立などをきっかけとしてリノベーションに取り組む場合でも、計画そのものは早めに検討しておいたほうがスムーズに進めやすくなるはずです。
体力や判断力にゆとりがあるうちに、将来を見据えた備えをしておくことが、リノベーションを成功させる鍵です。
出典:国民生活センター『医療機関ネットワーク事業情報からみた高齢者の家庭内事故』
住まいのバリアフリーリノベーションを進めるときの6つのチェックポイント

次に、住まいのバリアフリー化を具体的に進めるにあたって、重点的にチェックしておきたいポイントを見ていきましょう。ここでは、国土交通省が公表している「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」を踏まえながら、特に注意すべき6つの箇所を解説します。
段差でつまずきやすい
加齢によって足腰が衰えてくると、わずかな段差であってもつまずきやすくなります。室内に段差でつまずきやすい箇所がある場合は、思わぬ転倒事故を防ぐために、床をかさ上げするなどして段差を解消する工事が必要です。
さらに、視力の衰えによって足元が見えにくくなることも転倒の大きな要因だといえます。特に夜間のトイレへの移動時などは危険が伴うため、廊下や足元に人感センサー付き照明を設置して、夜間のつまずきを未然に防ぐ工夫をするほうがよいでしょう。
部屋の出入り口が狭い
現在の住まいの廊下や部屋のドアなどの出入り口が狭いと感じる場合、将来を見据えた拡張工事が有効な手段となります。車いすを使用することになった際にスムーズに通り抜けやすくするため、そして介助者がサポートなどの介護をしやすいように、十分な幅を確保しておくことが大切です。
また、生活動線をシンプルにするために、細かく分かれている2つの部屋の壁を撤去して1つの広い空間にするプランや、2階にある寝室を1階部分に持ってくるなど、間取りそのものを見直すリノベーションプランも考えられます。
階段の上り下りがきつい
2階建てや3階建ての住まいの場合、年齢とともに階段の上り下りが身体的な負担となるケースが見られます。将来的に上下階の移動を安全でラクに行うための一つの選択肢として、ホームエレベーターの設置を検討してみるのもよいでしょう。
また、エレベーターの設置が難しい場合でも、階段の勾配を緩やかにして安全に上り下りができるように改修する方法があります。さらに、万が一転落した際にも途中で止まれるよう、直線階段ではなく踊り場を設けた回り階段とすることで、大きな事故につながるリスクを軽減することも可能です。
手すりが必要だと感じている
歩行時にふらつきを感じるなど、日常生活で手すりが必要だと感じ始めたら、早めの対策が肝心です。アプローチや玄関などの段差がある部分を車いすでも通れるスロープに変更したり、階段部分に頑丈な手すりを設置したりすることで、毎日の出入りや移動をスムーズで安全に行えるようにしてみましょう。
また、滑りやすく転倒リスクの高い浴室、立ち座りの動作が伴うトイレや洗面室などにも注意が必要です。車いすを利用する際や体が不自由になっても使いやすいように、適切な位置への手すりの設置や、使い勝手に合わせた高さの調節を行うことが大切です。
玄関や浴室で転びそうになるときがある
水気のある場所は家庭内でも、転倒事故が発生しやすい危険なエリアです。雨の日に水滴で濡れた玄関の土間や、水や石鹸を使う浴室の床などが挙げられます。
滑りやすい箇所については、摩擦係数の高い滑りにくい床素材へ変更するリノベーションが効果的です。床材の変更と併せて、玄関の上がり框(かまち)や浴室の壁面にしっかりと体重を預けられる手すりの設置も検討してみましょう。
立ち上がりや移動時のバランスを保ち、大きなケガにつながる転倒の防止につなげることができます。
車いすが入れない
将来、ご自身やご家族が車いすを利用する生活になった場合、一般的な住宅の規格では通行が困難になることがあります。車いすを利用する場合は、玄関の開口部や室内の各部屋の出入り口の幅を広範囲にわたって拡張する必要があるでしょう。
その場合、扉の形状も重要になります。前後に開閉スペースが必要となる開き戸は、車いすに乗った状態では操作が難しいでしょう。
わずかな力で横に開け閉めでき、開けたままの状態を維持しやすい「引き戸」に変更するほうが使い勝手がよくなるはずです。
バリアフリーリノベーションにかかる費用の目安

実際に住まいのバリアフリー化を進めるにあたって、気になるのが工事費用の相場です。住まいのバリアフリー化にかかる主な費用の目安についてまとめると、次のようになります。
| 工事の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 手すりの設置 | 約2~5万円(1箇所あたり) |
| スロープの設置 | 約2~5万円(1平米あたり) |
| 床のかさ上げ(段差解消) | 1平米あたり約1~3万円 |
| 浴室のユニットバス化 | 約100~150万円 |
手すりの設置は階段、トイレ、浴室など、複数箇所に設置する場合にはまとまった予算が必要です。スロープの設置は、勾配の角度や使用する素材によって価格が変動します。
床のかさ上げは、廊下と居室の境目などを平坦にすることで段差を解消するための工事です。浴室のユニットバス化については、昔ながらの在来工法の浴室から、段差が少なく暖かい浴室への変更を検討してみましょう。
上記の費用はあくまで目安であり、建物の状況や選ぶ設備のグレードによって実際の費用は変動します。リノベーションが必要な箇所を洗い出して、適正な価格を把握しておくことが大切です。
バリアフリーリノベーションで活用できる補助金制度

バリアフリーリノベーションは要件を満たせば、各種補助金を活用して費用負担を軽減することが可能です。具体的な制度として、まず「介護保険制度」を利用した住宅改修が挙げられます。
要支援・要介護認定を受けている方が居住する住宅において保険の対象となる工事を行った場合、かかった費用に対して最大20万円(支給限度基準額)までが助成の対象となります(原則1~3割の自己負担あり)。また、国や自治体でも、住宅のバリアフリー化や省エネ化に対する独自の補助金制度が設けられている場合があるので、ホームページなどで最新の情報をチェックしてみましょう。
「みらいエコ住宅2026事業」においても要件を満たせば、バリアフリー改修も補助の対象となります。さらに、「先進的窓リノベ2026事業」は住宅の断熱化(高性能な窓への交換など)を促進する制度ですが、住まいの断熱化はヒートショック対策という観点から高齢者の安全な暮らしに役立つはずです。
そして、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、住宅の長寿命化や質の向上に資するリフォームに対して補助金の申請を行うことができます。バリアフリー性の向上も評価の対象となるので検討してみるとよいでしょう。
補助金制度は予算上限に達すると受付終了となる場合があるため、最新情報を自治体や施工業者に確認しておくことが大切です。
バリアフリーリノベーションを成功させるためのコツ

バリアフリーリノベーションを成功させるためには、まず老後の暮らしにおける転倒などのケガの防止を優先的に計画することが重要です。年齢を重ねて身体機能が変化しても、可能な限り自立して快適に暮らせる住まいにするという視点を持っておきましょう。
さらに、リノベーションのプランを考える段階では、本人の利便性だけでなく、将来的に介護が必要になったときの家族の負担も考えておくことが大事です。介助しやすいスペースや動線を確保しておくことで、介護する側もされる側も心身の負担を軽減できます。
まとめ|バリアフリーリノベーションの基本的な進め方を把握して、住み慣れた家で快適に暮らそう

老後も安心して暮らすためには、住宅内での事故を防ぐためのバリアフリーリノベーションが大切です。段差の解消や手すりの設置、車いす対応の動線確保など、将来の生活を見据えた早めの対策が、老後も自立した生活を送るための鍵となります。
「アップルホーム」では、お客様の現在のライフスタイルや将来の不安に寄り添い、最適なバリアフリーリノベーションのプランをご提案いたします。住み慣れた家でいつまでも快適に暮らせる住まいづくりのお手伝いをさせていただきますので、埼玉県狭山市・入間市・所沢市・川越市のエリアでリフォーム・リノベーションをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。