2025.12.12
建て替えよりお得?「ワンランク上」のリノベーションで快適な暮らしを追求しよう

「新築から歳月が経過して老朽化が気になり始めた」「子どもが独立したため思い切って間取りを変えたい」といった場合、建て替えを検討する方もいるのではないでしょうか。しかし、状況によっては、建て替えよりリノベーションのほうが有力な選択肢になるケースもあります。
建て替えと比べると、リノベーションは予算を抑えつつ、短期間で工事を完了させられるのが特徴です。特に、性能面や快適性で「ワンランク上」のリノベーションを行っておくと、安心・安全・快適性を担保しつつデザイン性に優れた理想の住まいを実現できます。
この記事では、ワンランク上のリノベーションを行うメリットや注意点を見ていきましょう。
建て替えとリノベーションの違い

住宅の建て替えは、新築同様に理想の間取りやデザインを実現できる点が魅力です。しかし、建物や基礎の解体とそれに伴う産業廃棄物の処分費や運搬費・重機回送費など、建て替えにはまとまった費用と時間がかかります。
耐震化に関する費用や解体費用については、自治体によって補助金を活用できる場合がありますが、基本的にはリノベーションよりもトータルコストが高いのがデメリットです。それに対して、リノベーションは建物の基礎や柱を利用して行うため、建て替えより予算を抑えやすいといえます。
建物の状態やプランによっては、部分的な改修を行う選択もできるため、費用や時間を抑えたうえで住宅の性能や価値を向上させることが可能です。
「ワンランク上」のリノベーションを選択する3つのメリット

リノベーションに関する明確な定義はないものの、一般的には「既存の建物に手を加え、性能や価値を高めること」を指します。単に老朽化した建物を回復させる「リフォーム」ではなく、何らかの付加価値を設けるのがリノベーションの基本的な目的です。
そのうえで、ここでは通常のリノベーションよりもワンランク上のリノベーションを行うメリットを見ていきましょう。
ライフスタイルの変化に対応した住み心地を実現できる
リノベーションは、ライフスタイルの変化に対して柔軟に対応できる点が魅力です。たとえば、子どもが独立した後に高齢の夫婦が2人で暮らす場合、バリアフリー化を進めておくと、より安心して生活できる環境になります。
トイレや浴室に手すりを設置したり、可能な限り自宅内の段差を取り除いたりすることで、転倒やケガのリスクを軽減できます。将来的に介護が必要になっても、あらかじめ車イスで移動できる住環境にしておけば、介護者と要介護者の双方にかかる負担を軽減できるでしょう。
予算のコントロールを柔軟に行える
建て替えと比較して、リノベーションは予算の配分を柔軟に決めやすいのもメリットの一つです。たとえば、全体的に予算を抑えたうえで、キッチンにはまとまった費用をかけるといった選択もできます。
予算が限られていたとしても、修繕したい箇所の優先順位をハッキリさせておけば、ワンランク上の住環境を実現することは可能です。
自分好みの住宅にカスタマイズできる
リノベーションでは内装や設備の変更だけではなく、間取りを変えることも可能です。たとえば、すでに子どもが独立しているのであれば、以前子どもが使っていた部屋の壁を取り外してリビングを広くしたり、部屋のスペースをガレージに変えたりしてワンランク上の生活を実現することができます。
また、建て替えに比べると費用を抑えられる分、グレードの高い建材や設備を導入できるため、理想のデザインや性能を叶えやすいのもメリットです。
こだわりを持ったリノベと一般的なリノベとの費用の違い

リノベーションにかかる費用は、どの程度の規模やグレードで工事を行うかによって大きく変わります。ここでは、主な工事内容ごとに、ワンランク上のリノベーションと通常のリノベーションにおける費用のおおまかな目安を比較してみましょう。
内装のための費用
床材の場合、一般的に使用されるのが複合フローリングなのに対して、「ワンランク上」のリノベーションでは無垢材フローリングを使用することが多いです。無垢材フローリングとは、自然木100%の一枚板でできたフローリングです。
調湿機能や香りによるリラックス効果などのメリットがありますが、費用は高くなります。複合フローリングの3倍ほどが相場であり、6畳あたり15~22万円程度です。
壁の張り替えにかかる費用も大きく違います。一般的な壁紙であるビニールクロスに対して、高品質な天然素材の建材は、4~5倍ほどの費用がかかります。相場は1平米あたり、5,000~6,000円です。
浴室のリノベーションは、内装の張り替えだけであれば10~30万円ほどですが、浴槽や給湯器の交換などを含めると商品のグレードにもよりますが100~150万円程度の予算は考えておく必要があります。
キッチンのリノベーションを行う場合、規模によって金額には大きな違いがあるものの、キッチン本体を丸ごとハイグレードなものに交換する場合は、キッチン本体価格だけで150~200万円程度の費用がかかります。
一般的なリノベーションと、ワンランク上のリノベーションにかかる費用の違いをまとめると、以下の通りです。
| 一般的なリノベーション | ワンランク上のリノベーション | |
|---|---|---|
| 床(6畳) | 6万円前後 | 約15~22万円 |
| 壁(1平米) | 約1,000~1,500円 | 約5,000~6,000円 |
| 浴室 | 約100~150万円 | 200万円以上 |
| キッチン (本体のみ) |
約60~100万円 | 150万円以上 |
間取りを変更するための費用
間取りの変更をともなうリノベーションは、特に費用が高くなりやすいのが特徴です。たとえば、部屋数を増やすための仕切り壁やドアを設置する場合、10~50万円程度の費用がかかります。
また、間取りを大幅に変更したい場合は「スケルトンリノベーション」を行うケースがあります。これは、床・壁・天井をすべて取り払って、間取りから作り直すリノベーションです。
建て替えが建物全体を取り壊すのに対して、「スケルトンリノベーション」は建物の骨組みにあたる躯体の部分だけは残した状態でリノベーションを行います。そのため、建て替えよりは費用を抑えられますが、建築確認申請が必要となる場合も多いので、それなりの予算と時間が必要となってきます。
更にグレードの高い建材や設備を使った場合、一般的な戸建てのフルリノベーションで1,500万円以上かかることもあります。
こだわりを持ったリノベーションを成功に導くための4つのポイント

こだわりをふんだんに詰め込んだワンランク上のリノベーションを行うためには、綿密な準備が欠かせません。ここでは、理想的なリノベーションを実現するポイントを紹介します。
予算の設定を適切に行う
まず重要なのは、どれくらいの予算がかけられるのかを明確にすることです。特に、リノベーションを行ううえで意識しておきたいのは、工事費とは別に設計費がかかるケースがある点です。
リノベーションを行う際には、一般的に設計事務所やリノベーション事業者が設計プランを練ることとなります。特に設計事務所ではデザイン性に優れたプランを提案してもらえるのが利点ですが、総工事費の10~20%ほどの設計料が掛かるのが一般的になってきました。
そのうえで、リノベーションにあたってローン(リフォームローンあるいは住宅ローン)を組む場合は、毎月の支払いを無理のない範囲に収めることが重要です。リフォームローンは、一般的な借入と比べると金利は低いですが、住宅ローンよりも利率が高く設定されており、最大借入期間も短い点に注意が必要です。
また、融資金額の上限も1,500万円程度に設定されているため、リノベーションの内容によっては費用が足りなくなる可能性があります。工事を始めてから設備の老朽化などが発覚して、追加工事が必要になるケースもあるため、余裕のある予算設定を心がけましょう。
リノベーションのプランを検討する
ワンランク上のリノベーションでは、通常よりも費用がかかるため、プランの優先順位を明確にすることが大事です。たとえば、主な目的がバリアフリー化なのであれば、デザイン性よりも安全面の向上に予算をまとめるといった選択ができます。
また、目的の設定と同時に重要なポイントとなるのは、中長期的なプランを練ることです。たとえば、多少リノベーションのコストがかかったとしても、窓や壁を「省エネ」仕様に変えておくと、光熱費の節約に繋がります。
複数の会社を検討する
予算やプランを設定したら、工事を依頼する会社を探します。ここで重視すべきなのは、リノベーションの目的やプランに合った会社を選ぶことです。会社によって得意分野や費用が異なるので、同じプランのまま複数の会社に相見積もりを依頼してみるとよいでしょう。
また、デザインや仕上がりにこだわるうえでは、施工事例を詳しく見ながら好みに合うかどうかをチェックすることも大切です。
自分に合った会社を選択する
リノベーションでは、理想の自宅のイメージを正確に共有することが大事です。そのため、きちんとコミュニケーションを取れる担当者がいるかどうかも重要なポイントとなります。
それには、リノベーション相談や見積もり依頼の段階で、積極的にコミュニケーションを図ってみるのがおすすめです。「質問への対応は明確か」「要望や不安に丁寧に耳を傾けてくれるか」「レスポンスは早いか」など、担当者の力量にも目を向けておくとよいでしょう。
「ワンランク上」のリノベーションを行うときの注意点

最後に、リノベーションを行う際の注意点を確認しておきましょう。
間取りの変更は希望どおりに実現できない場合もある
リノベーションは既存の建物をベースに工事を行うため、間取りに関しては建物の構造上、イメージどおりのものを実現できないことがあります。たとえば、主に鉄筋コンクリート造の低層マンションで用いられる壁式構造の場合、壁そのもので建物を支えているため、壁を撤去して間取りを変えるのは難しいです。
また、それ以外の住宅でも、耐震性や耐久性の面からどうしても動かせない柱や壁があるケースもあります。理想どおりの間取りにしたい場合は、リノベーションだけではなく、住宅の建て替えも含めて検討してみましょう。
追加工事が必要になるケースもある
リノベーションでは、当初の計画に含まれていなかった工事を追加で行うこともあります。なぜなら、実際に壁や床をはがしてみた段階で初めて劣化や不具合が発覚し、対応しなければならないケースもあるためです。
具体的には、著しく老朽化が進んでいて耐震工事が必要になったり、断熱材が劣化していて追加の断熱工事が必要になったりする可能性などが考えられます。追加の工事を避けるためには、事前の細かい打ち合わせや入念な現地調査が必要です。
同時に、あらかじめ追加の工事が発生するのを想定して、総工事費の1~2割程度の予備費を準備しておくと安心です。
予算やプランを比較して、生活の質を高めるリノベーションを検討してみよう

「ワンランク上」のリノベーションでは、建材や間取りにこだわった上質な空間を作ることができます。細かくプランを練って、ゆとりのある予算を設定しておけば、こだわりを盛り込んだ自宅を実現できるでしょう。
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